ヤエン考
このページには他のコーナーに書けないことをまとめてみました

ヤエンについて そもそもヤエン釣りなる物はどこから伝わったのか?
今はもう家族と仕事の板ばさみでなかなか釣りに行くことが難しくなってしまいましたが、まだ私が独身の頃(10ン年以上前)一人身の身軽さゆえ日本の各地へ釣りに行きました、特にルアーマンの私は南方が好きで大阪からどんどん西へと足を伸ばし最後は沖縄の西表島まで行ってしまったのですが、すでにその頃アオリイカ釣りにのめりこんでいた私は現地の釣具屋さんで必ずその地区で手作りされたエギを買い求めアオリイカの情報を聞き、釣り方なども教えてもらうのがいつものこととなっていました、しかしヤエンに関しては沖縄まで行ってしまいますと対象がコブシメ(コウイカの仲間ですごく大きい)に変わり釣具店で売っているヤエンもヨーヅリ(現DUEL)のヤエンぐらいしか売っていませんでした、色々各地に行きましたがやはりアオリイカのヤエンを多く品揃えしているのは四国と近畿の太平洋側の釣具店や漁具店でしたがそれでも今と比べると使いにくいヤエンを少ししか置いてなかったように思われます、そこで釣り場に行きアオリイカを狙っている地元の方に使っておられるヤエンを見せてもらいに行くと、売ってる物とはぜんぜん違う物を使われています、もちろん手作りのヤエンです、そのころからヤエンは手作りが普通でヤエンは作り方のノウハウも一緒に各地に伝わったのではないでしょうか?しかも手作りのヤエンを使っている地元の方はお年寄りの方が多くて元漁師の方が多いことからアオリイカのヤエン釣りは釣り人の間で伝わった物ではなく海で生活するところの漁師さんの間で広まったように思われます。かつては漁師をやめて丘へ上がった隠居さんがのんびり釣りを楽しむといった釣りでした、もちろん地元の若い人もおりましたが隠居さんが若手に釣り方を教えていたのでした、そこに私もまぜてもらったのです、冒頭にも記載しましたが和歌山県古座町田原でお世話になった隠居さんには特にかわいがって頂きました。今でも本当に有り難く思っております。そう20年ほど前は地元の人は釣竿片手に夕方てくてく歩いてやって来てはスーパーで買った死んだアジをくくりつけポイと海に放り込みその日食べる分だけ釣ったら充分で後は釣り談義に花を咲かせているような釣りでしたので、たくさん釣ることにこだわらないおおらかな時代でした、今では釣り人の間で流行しブームとなり死んだアジではなかなか釣れなくなり釣具店に行けばアオリイカに関する用品や釣具が所狭しと並ぶようになりました、今ではエギでアオリイカを釣ることをエギングなんて造語までできています、しかしこのエギングはPEラインのおかげで初心者でも一応の釣果が得られることからブレイクすることになり、エギ自体も多種メーカーの参入により一応の成熟を果たしたようです。釣りの世界ではたくさん釣った人の意見が通るわけですが、私のような日曜釣り師にはなかなか大漁とはいきませんしだいたいこのごろは年に2〜3回しか釣りに行けませんので新型ヤエンのテストも他の人にお任せしたりしております、爆笑(爆釣)ヤエンを目指してまだまだアイディアをひねっていきたいと思っております。はたしてこのアオリイカブーム一過性のものか?地球温暖化のせいでアオリイカの分布の北限が上昇するのに合わせてさらに過熱していくのか?先はどうなるかわかりませんがヤエンでの釣りを楽しみましょう!
ヤエンの形による
使い分け
真っ直ぐなストレートタイプと(一本ヤエン)途中から枝分かれしているなどして二股以上になってるタイプに分かれるのではないでしょうか。
特に二股以上のタイプは釣り人が工夫を凝らしたがため、中には何じゃこれ?と思われる物まで作られています、
実際の使用では障害物の多い所(藻など)もしくは漂流物の多い時はその形から道糸を伝って進むとき引っ掛かりの少ないストレートタイプを使います。
障害物の無い所や漂流物が無ければ二股タイプのダブルタイプヤエンを使用します
(股の部分にゴミ・藻・その他障害物をはさむと進まなくなってしまう)
以前触手の長いクラゲが発生した海域でヤエンを使いずいぶん苦労致しました。

私は当然ストレート・ダブル2種類必ず持参いたします。
本当はそれに加えて捨てても良い(外道用)ヤエンと新型ヤエンを試すため持って行きます。全部で20本ぐらいは持って行きます
ヤエンの重さについて アオリイカに限定で市販の物は大体16g〜20gが主流になっていますしかし3kgオーバーが主体ではなくせいぜい2kgちょいまでが相手で平均1kgそこそこなんて言うのが現実の釣りであれば道糸を2号以下に落としシングルタイプヤエンで11gダブルで13gが標準かもとこの頃思っております。これはいずれ水中カメラを作ったので実際に試してこのヤエンコーナーで動画と同時に公開する予定です
ヤエンの針 しゃくらない派の私にとって針はもっとも重要な部分のひとつです
ヤエンを入れじっと竿を持っているだけで掛かる針先の鋭さとヤエンの完成度が有れば初心者もベテランも同じように釣れるはずです。しかもしゃくらないので一度逃げたイカが再度餌に食いついてくる確率も高くなります。しかしいくらヤエンの完成度が高くても針先が鈍ければ掛かりませんので針の鋭さが全てに優先するのです、ではどんな針が適しているのか?まず針先が最初から鋭いこと、そしてその鋭利さを長く保つには海水中において針先がイオン化して溶け出さ無いことが重要です(磨り減るのではなく海水による化学変化で溶けてしまうあるいは錆びる)

今販売されている針は材質の違いから2種類有りますがそれぞれの特徴として。

スチールの針(炭素鋼・安い・錆びる・硬い)
スチールが最も一般的ですがスチールは針先が海水中では溶けたり錆びたりするので常に針先をチェックする必要が有ります、又メッキ処理の種類によりすぐに針先が溶けてしまう製品が有りますので注意が必要です。ヤエンはずっと海中に浸けて使う物ではないので使用したらすぐ真水で洗うとかなり防げます。海水が付着したまま放置が一番悪いのです。
ステンレススチールの針も有りますが(実際のヤエン作成のコーナーでも使用)ステンレス製の弱点はは針先を地面にぶつけるなどすると針先が曲がりやすいことが欠点です一度針先を曲げてしまうと深く刺さらなくなるので取り扱い時地面に置かないなど注意が必要です。海水中で溶けないこの針はずぼらな私にとってはありがたい針です。

針の大きさと形その他

針の返りについて
有ったほうが良いだとかだめだとか人それぞれですが私は針の配置を円でとらえたとき頂上に位置する針にはアウトバーブの針は使いませんその理由はイカにヤエンが接した時その外側に付いた返りがイカにささりイカが逃げるように思うからです、それ以外の針には難しく考えておりません、ただ返りが付いててバラシが減ったと感じた事は有りません、バラシの原因は身切れにあってヤエンの掛かりどころと掛かった針の深さが大きく影響してくるものと思います
針の数については全てひと組3本で充分です、これより多くしてもイカに接触しない針を増やすだけですしヤエンのウェイト増にもなります
大針・小針
イカの針は統一規格が無いのかメーカーによってまちまちのサイズとなっているので説明しにくくて困りますが大針と小針では小針の方ががっちり掛かるという持論を持っております、これは20年前に古座町・田原の隠居さん(師匠)に教えてもらったその後20年間釣り続けた今になっても変わりません。
ただし主軸の太さとはバランス関係が有ります細ければ小さく、太い主軸にはその分やや大きくできることがわかりました。市販の物は見た目は掛かりそうですが、私にとっては大きすぎる針が付いているように感じます。(引っ掛けるイメージがそうさせるのでしょうか?)
針の色(ヤエンの色も同じ)
色は目立たない方が良いのだが主軸にハンダ付けするので初めから色つきのものではハンダが付かなかったりするので困るのです、某メーカーステンレス針がつや消しブラックなのでよく使っています、色んな塗料を塗ってみましたが針まで塗れるのは油性マジックぐらいのものでした、金銭に糸目をつけなければ完成品の状態でブラックメッキをしてもらうのだがあまりにも値段と効果の程が怪しいのである

針の掛かりどころ
アオリイカのどの部分に針が掛かればバレが少ないのか一番は足の付け根ですここが一番身切れしにくい部分になり後は足の吸盤が付いた部分そして胴や水管の部分です
実際には3段に付いた針により胴と足両方に針掛かりいたします。まあ普通は網で掬うなりギャフで取り込むのでごぼう抜きにはしないと思いますが、ひとりで釣っている時(ダブルヤエン使用)取り込みが面倒なので針掛かりの位置を確認し、竿では抜けないので道糸(使用ライン2号)をつかんで引き上げたりしましたが足の付け根に掛かっていれば1.5kg程度までは身切れせず取り込むことができました。そのほかの部位ではじりじりと身が裂けてアオリイカ自身の重さすら支えきれないようです。
ヤエンの主軸 主軸は細いほどイカにまとわり付くようにべったり張り付き針掛かりを向上させますがあまり細いと垂れ下がりが大きくなるのと耐久性にも問題が出てくるので0.8mmが細さの限界でしょう、逆に太くするのは大型用でも1.2mmも有れば充分持ちます。紀伊半島をフィールドの中心とした時1mmでも充分でしょう。
ヤエンの掛け止め部 作成コーナーで記載しましたが1.4mmを使用、量産品は製造コストの都合上細いピアノ線を使用しているが手作りするなら面倒でも1.4mmを使う価値があります。ぜひおすすめ致します。
掛け止め部の形状はラセンが一般的ですが、私の失敗談をひとつ、私は少しでも摩擦を減らせないものかと実はラインの通過部にガイド用のリングを(フジハ○ド○イ)をダイヤモンドヤスリで切れ込みを入れはめ込んだことが有るのですがかえって抵抗が大きくなり失敗してしまいました、それではとローラーを入れてみましたがこれも空気中は転がりますが水中では回転せずしかも水の抵抗が増えただけで大失敗!ちなみにピアノ線そのままで作成のコーナーでも記載したように青棒でピカピカに磨いておいたほうが良く滑るようです、どうやら海水が曲者でその成分は塩(塩化ナトリウム)だけでなくその他のミネラル分が溶け込んだ海水は粘度(粘り)が有るためラインと接する接点の面積を小さくしてよけいな物がないほうが良いと思うのです。
追記、2007年2月11日ヤエンの水中ビデオ撮影を行いましたが市販のローラーヤエンは抜群の結果が出ております。詳しくはヤエン水中ビデオコーナーをご覧下さいませ。
ヤエンのバランス 水平が基本で人により針が上がっている人下がっている人さまざまでしたがこのところ上がっているのが標準化しつつあるようです。
重りを削りすぎた、あるいは少しだけの微調整をしたいとか釣り場で急遽バランス修正する際などに覚えておくと便利なのはバランス取りする賭け止め部自体を指で針側、もしくは重り側へ倒せば微調整がききます。でもあまり大きくは変わらないので注意
ヤエンの軽量化 ヤエンを軽量化しようとする場合一番効果の高いのが針と針のハンダの量を減らすことになります、ちなみにストレートタイプはそれほどでもないがダブルタイプでは針数も増え(ストレートの2倍)6箇所に掛け針が付くので針の軸をニッパーで針部分と同じ長さまで切り詰め針数も重りに近いほうから2・2・3本と減らすと10gを切る軽量化が可能です、しかしラインが使い古されて荒れていると滑っていかなくなりますのでご注意。ストレートタイプなど極端に軽量化すれば6gぐらいでも作ることはできますが使いにくいだけに終わったりどんどん到達が遅くなりアジを食い逃げされたりいたします。うーんやっぱり水中実験でデータを取ったほうが良さそうですね。
ヤエンの滑る最低角度 角度が小さくても滑っていくヤエンはヤエン師の夢でも有ります。ネットで調べても実際にその角度を測り公開しているホームページが無いのでこの際私がデータを作成しここで実際の動画付きで公開しようと思います。
ヤエンの長さ(全長) 何が基準となってヤエンの全長が決定されるのでしょうか。私のヤエンは一番前方に付いている掛け針からバランスの中心の賭け止め部までの長さがストレートタイプで200mm〜220mm・ダブルタイプで180mm〜200mmですタイプの違いで20mmストレートタイプが長くなり同じタイプで20mmの違いが有るのは使う餌の大きさによる違いです、もちろん餌が大きい時に長い物を使います、そして次の賭け止め部2箇所の間の長さは短いほど針が揺れて掛かりが良くなるのですが、もつれるなどのトラブルが発生しない最短の長さを実釣経験より今の長さにしました、ヤエン釣りになれてない方は長くしたほうが使いやすくなります、市販のヤエンは長くしてるものが多いです。しかしあまり長くしてしまいますとバランスをとっている重りをごく小さくする必要が発生したり重りの位置を賭け止め部の間に持ってくるなどの変更が必要でしょう。今回図面上で寸法・部材まで正確に記載しております。
イカの引き寄せ 引き寄せはかなり沖までイカが走ってしまい道糸の角度が無くなってしまった時にはどうしても必要ですがあまり近くにイカが寄るとかえってヤエンの掛かりが悪くなるのでイカが沖にいるあいだにヤエンを入れ少しづつ寄せてきてぎりぎりヤエンが滑り込むぐらいが良いでしょう。この掛け方では常に道糸の状態をチェックしてヤエンの滑りを良くしておけば他に難しいノウハウは必要ないように思います。
アジの縦抱き横抱き イカがアジを縦に抱いているか横に抱いているかなんてイカが見えてこない限り私にはわかりません、ただイカがアジに抱きつき最初に噛み付くのはアジの首の後ろですここはアジの急所なのでまず餌を殺してから食事にかかるのでしょう。
しかしこの後が問題です、私の場合ヤエンを入れるタイミングが早いため時にはアジを殺す前にヤエンが掛かって釣れたりちょっとだけかじったところで釣れたりとするわけですが、いつも同じ順番とは断言できませんが次の順で餌を食べているように想像しております。
まず横に抱きつく→首の後ろをかむ→脊髄に到達する→少し頭の方に持ち替える→目の玉をかじる→目の玉が左右貫通→ここで縦に持ち替える→アジの口から丸かじり→どんどん尻尾に向かって食い進む
アジの頭を落として食う時は脊髄に到達後も食い進み頭を落としてしまうものと思います。
ヤエンの入れるタイミング 冒頭にも書きましたが私のヤエンを入れるタイミングはイカが底を切っていて根掛かりなどしていなければさっさと入れてしまいます。もちろんイカがぐいぐい引っ張っている間は待ちます。
釣り雑誌等を時として読んでみますとアジの頭を落として胴の部分内臓を食べ始めた時が最高のヤエンを入れるタイミングとあったりします。
私はイカを引き上げず逆に沈めたまま沖でヤエンを入れてしまうためどうなっているのかさっぱり分からないのが現実です。
ウキ釣り 以前ヒラスズキを求めて四国に毎週のように通い詰めていた時期が有りましたずいぶん前になりますがその頃の四国の足摺岬から高知にかけての港や地磯では浮き釣りでアオリイカを釣ってる釣り人を沢山見かけましたので早速地元の釣具屋さんに行き仕掛けを購入しウキ釣りを誰もしていない和歌山県で試して見たのでした。
このウキ釣り仕掛けは掛け針を生餌の背中に背負わせるタイプの物でした。
生きたアジを売って無かった頃ですのでどこにでもいてすぐ釣れる生餌と言うことでネンブツダイを使いました。
ネンブツダイは7〜8cmしかない小魚ですが色は赤いし目立って良いだろうとの考えからでした。
実際やって見ると死にアジばかりの頃生餌の威力はすさまじくまた小さい小魚を餌にしたため針掛かりも良かったのです。
しかし問題が生じました、いくら針掛かりが良くても何パーセントかは逃げられるのです。
逃げたまま再度乗らないイカは掛け針に引っ掻かれ痛い思いをして逃げたイカなのです。
そのためだんだんスレたイカが増えたのです。
また小型のイカほど釣れやすいが大きいイカには向いてないなど。
しかしウキ釣りにはメリットも有りましたウキを付ける事により一定の棚を広く探れる。
ヤエンに向かない水中にごみや漂流物が多い時でも釣りが可能である等。